(独)産業技術総合研究所は7月28日、東芝、清水建設、関電工、積水化学工業など7社と共同で、生活状態に合わせた合理的な省エネルギーを実現する住宅向けの「生活行動応答型省エネシステム(BeHomeS)」を開発したと発表した。
この新システムを組み込んだ実験住宅を既に同研究所関西センター(大阪・池田市)内に建設済みで、4人家族が8月から半年間実際に生活する滞在実験を実施して、省エネ効果を検証する。
新システムを用いると、消し忘れの照明・空調などを自動停止するだけでなく、[1]普段の給湯量を判断して無駄な湯沸かしを抑える給湯制御、[2]採光・遮光・遮熱と窓による排熱を照明器具・空調機の運転と適切に組み合わせた省エネ環境制御、[3]生活シーンに合わせた調光・温熱制御による省エネ制御、などを生活に合わせ自動的に行えるようになる。
居住者の生活行動を自動学習し、生活状態に合わせた機器の運転を行って省エネを達成するので、各家庭の生活状態によって達成できる省エネ効果は異なるが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、居住者が省エネを意識することなく自然な生活を営む中で平均約10%の省エネ効果を達成することを目標にしている。
今後実用化研究を5~6年程度実施し、実用化のための検証を行う予定だが、センサー情報から、就寝・だんらんなど人間の生活行動に関する現在の状態や、これから起こりうる状態を計算して出力するソフトウエア(行動推定エンジン)を付加したインテリジェントシステムの事業化開始は2016年~18年頃と見込んでいる。
No.2009-30
2009年7月27日~2009年8月2日