2つの衛星使い宇宙から日食の撮影に成功
:宇宙航空研究開発機構

  (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、7月22日の皆既日食を同機構の2つの衛星、太陽観測衛星「ひので」と温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」で撮影し、同日その画像を公開した。
 「ひので」は、日本、米国、英国が共同で開発し、2006年9月23日、「M-5」型ロケットで同機構内之浦宇宙空間観測所(鹿児島)から打ち上げた重さ900kg(打ち上げ時)の衛星。可視光、X線、極紫外線の3種類の望遠鏡を搭載、太陽が地球に及ぼす影響などを長期にわたって連続観測している。
 今回の日食の撮影は、その3種類の望遠鏡の内のX線望遠鏡を使って行われ、「ひので」が中国からインドの上空にあった7月22日午前10時(日本時間)頃太陽の手前を月が横切っていく様子を動画で撮影、最大食分73%の部分日食を撮ることに成功した。
 一方の「いぶき」は、同機構と環境省が共同開発した重さ1,750kg(打ち上げ時)の衛星。今年の1月23日、同機構種子島宇宙センター(鹿児島)から「H-ⅡA」ロケットで打ち上げた。炭酸ガス(CO2)、メタンなどの温室効果ガスの濃度分布を宇宙から観測するのが目的で、定常運用に先駆け日食の撮影を行った。
 「いぶき」による撮影は、搭載するモニタカメラを使って同日午前11時9分(同)頃行われ、太平洋上に映った月の影を捉えた。

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「ひので」のX線望遠鏡で捉えた部分日食。黒い部分が月(提供:宇宙航空研究開発機構/国立天文台)
「いぶき」が宇宙から撮影した太平洋上の月の影(提供:宇宙航空研究開発機構)