(独)物質・材料研究機構(NIMS)は6月3日、2009年度の「NIMS賞」を東京大学大学院工学系研究科の片岡一則教授に授与すると発表した。
同賞は、物質・材料の科学・技術で過去数年間に飛躍的な進歩を成し遂げた個人やグループに授与している賞で、今回は世界各国のトップ科学者から推薦された候補者の中から、世界に先駆けて制がん剤のデリバリー(搬送)技術を確立した片岡教授が選ばれた。
この技術は、水に溶けにくい制がん剤を水に溶ける親水性の分子で覆った高分子ミセル構造と呼ばれる形にして、制がん剤を体の目的部位まで効率良く運べるようにしたもので、動物実験の結果、大腸がんが静脈投与で完治するなど優れた効果が確認され、現在臨床試験に進んでいる。
No.2009-22
2009年6月1日~2009年6月7日