産総研・近藤特別顧問が全米科学アカデミーの「外国人会員」に

 (独)産業技術総合研究所は5月11日、同研究所の近藤淳特別顧問(日本学士院会員、東邦大学名誉教授)が全米科学アカデミー(NAS)の「外国人会員」に選出されたと発表した。
 近藤さんは、「コンドウ・エフェクト(近藤効果)」の発表者として世界的に知られる物理学者。金属は、温度が低くなるほど電気が流れ易くなる。ところが、この原則に反し、ある温度以下で電気が流れにくくなる「電気抵抗の極小現象」を示す合金がある。この現象そのものは1930年頃から知られていたが、なぜ生じるのかは長年の謎だった。近藤さんは、この異常特性を1964年に世界で初めて理論的に解明した。
 以来、電気抵抗の極小現象に関連した多くの異常特性は、「コンドウ・エフェクト」と呼ばれるようになり、近藤さんはその業績で1973年に恩賜賞、日本学士院賞を受賞、他にも仁科記念賞、藤原賞などを受けている。
 近藤さんは、1930年生まれ、79歳。東京大学理学部卒、理学博士。東京都出身。

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全米科学アカデミーの「外国人会員」に選ばれた産総研の近藤特別顧問(提供:産業技術総合研究所)