(独)産業技術総合研究所は10月22日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の産業技術研究助成事業の一環として、高速ビジョンセンサー(カメラ)を用い、人の存在や位置を確実に検知しロボットを制御する、我が国初の安全センサーシステム技術を開発したと発表した。国際安全規格に準拠しており、人とロボットが共存して作業をする場所で、最適な安全作業が実現出来るものと期待されている。
ロボットと作業員との衝突事故を避けたり、介護など人とロボットが共存できる安全性を確保するには、人がどこにいるのかをリアルタイムで確実に検出できるシステムが必要になる。これまで産業用ロボットは、柵囲いによる人との分離作業を原則としてきたが、この新安全センサーシステムを用いると、人がロボットに近付いた場合、それを検知してロボットを停止できる。
その仕組みは、人に発光マーカーを装着し、光をカメラで受光して解析するというもの。人から発せられた光をカメラが100%確実に受光できれば、人の位置を100%検出できるわけだ。発光については、点滅パターンを欧州の国際安全規格(通信安全規格)に沿って符号化し、他の光と絶対に間違うことが無いようにした。さらに、ロボットと人間ができるだ
け近くで作業できるよう可能な限り速く点滅するようにした。
一方、受光は、速い点滅を確実にとらえるため、超高速カメラを用い、1秒間に1000コマを取り込んで処理できるシステムを採用している。
No.2008-41
2008年10月20日~2008年10月26日