(独)農業・食品産業技術総合研究機構は7月16日、肥料と農薬を今より大幅に削減できる露地野菜作り用の農業機械を井関農機(株)と共同開発したと発表した。
キャベツやハクサイなどの露地野菜作りでは、畑全体に肥料や農薬を散布してから畝(うね)を作って種や苗を植えるという栽培方式が取られている。新開発の農業機械は、「うね(畝)内部分施用機」と呼び、農耕用トラクターの後部に取り付けて、畝を作りながら、野菜を植える幅15~25cmの範囲にだけ肥料や農薬をまくという方式で、一度に3条の畝を作っていくことができる。余分な所にまでまかないため、単位面積当たりの施肥量を30~50%低減でき、農薬の施薬量を3分の1程度にまで減らせるという。
これまで2工程になっていた施肥・畝たて(畝作り)の作業を1工程に簡略化できるメリットも大きく、大規模栽培に導入すれば生産コストの大幅ダウンが期待できるとしている。
現在、北は北海道から南は大分県まで全国14ヶ所でキャベツ、ハクサイ、ダイコンについて実証試験を実施しており、井関農機が実用機の試験販売を始めている。
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