(独)産業技術総合研究所(産総研)は4月1日、安全や社会の持続可能性についての研究を評価、実施する新組織「安全科学研究部門」を、同研究所つくばセンター(茨城・つくば市)に設立したと発表した。
産業活動などでの災害や安全問題、化学物質によるリスク問題に加えて、地球環境や資源枯渇の問題といった危機感が急速に増大している。こうした諸問題に対応するには、これまでのように個別の評価研究を実施するだけでは不十分で、社会に導入されつつある新技術の影響評価を行ない、研究分野の境界を越えた取り組みや研究体制作りが急務との考えから設立された。
従来3つの研究センターで行ってきた安全性や持続可能性に関する研究に加えて、新たに[1]産業保安や爆発安全など工場災害や事故の研究[2]ナノ材料を対象に行うリスク評価とその管理手法の研究など、新技術・新規物質のリスクベネフィット評価(有害性と有用性の評価)[3]有害性と有用性を併せ持つ鉛の最適な管理を目指した物質循環シミュレーターの構築など、人為的・自然的なグローバルな移動を考慮した金属のリスク評価[4]バイオエタノールなど新エネルギーの活用に向けたエネルギー効率、二酸化炭素排出量、生態・健康影響、燃焼特性、燃焼危険性といったエネルギー技術の総合的な評価研究―の4つの研究を融合的に推進することにしている。
No.2008-13
2008年3月31日~2008年4月6日