アジア産マツタケの原産国判別法を開発:森林総合研究所

 (独)森林総合研究所は4月4日、DNA(デオキシリボ核酸)の配列を指標にしてアジア産マツタケの原産国を判別する方法を開発したと発表した。
 マツタケは、樹木と共生するキノコで、未だに人工栽培ができず、国内で流通している約95%は外国産の野生品。しかし、アジア産、地中海沿岸産、北中米産の区別はそれぞれキノコの形からできるものの、アジア産マツタケは同じ種なため外見による原産国の判別は難しい。
 新開発の判別法は、マツタケの染色体上の「レトロトランスポゾン」と呼ばれるDNA配列を指標にしてアジア産の原産国を判別するというもので、日本産、朝鮮半島産、中国北東部産、チベット地域産のマツタケをそれぞれ誤判率5%で識別できる。判定時間もDNAの採取まで含め1日で済む。
 日本の最大のマツタケ輸入先は、中国で、全体の約70%を占める。なかでも中国南西部産が多いが、この中国南西部産マツタケは他地域産との違いが大きく、区別し易いという。
 同研究所では、「適正な価格設定や食の安全のための品質管理など、販売者と消費者との信頼関係の構築に役立つ」として検査の現場で使ってもらえるよう詳細が閲覧できるホームページを準備している。

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