「ナノチューブ応用研究センター」を設立
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所(産総研)は4月1日、同研究所つくばセンター(茨城・つくば市)に「ナノチューブ応用研究センター」を同日付で設立したと発表した。同センターは、産総研が世界に先駆けて大量生産技術を開発したカーボンナノチューブと有機ナノチューブの実用化研究を総合的に推進して、我が国の新産業育成に貢献すると共に、ナノチューブ材料の国際標準化にもイニシアチィブを取る世界をリードするナノチューブ材料の総合研究センターを目指す。
 産総研は、これまでに「スーパーグロース法」など単層カーボンナノチューブの大量合成法を開発、石鹸の様な分子の自己集合を利用した有機ナノチューブの大量合成技術の開発にも成功している。産総研は、こうした世界に先駆けた成果を基に、ナノチューブの能力を最大限に発揮する材料開発とその応用領域拡大のため、異種材料研究者も加えて、新研究センターを発足させた。
 この新研究センターは今後、次のような研究開発課題に取り組む。[1]実用化・産業化=電子材料・高強度構造材料などに向けたカーボンナノチューブの応用開発と薬剤包接材料などに向けた有機ナノチューブの応用開発[2]複合材料の創製・実用化=カーボンナノチューブ、有機ナノチューブの接点として、バイオ応用などを目標とした高機能性ナノチューブの開発[3]超高性能電子顕微鏡や光学的評価技術を基盤とする世界最高性能の計測・分析技術の確立とナノ物質コーティング応用の研究[4]ナノチューブ材料の標準化・リスク評価。

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花のような形をした単層カーボンナノチューブの一例(提供:産業技術総合研究所)