(独)産業技術総合研究所(産総研)は3月31日、バイオ研究における情報科学や実験科学の手法を有機的に統合して活用し、創薬支援や重要な生命現象の解明を推進するための新しい技術開発拠点として、「バイオメディシナル情報研究センター」を4月1日付で東京都内にある臨海副都心センター(江東区青海)に設立すると発表した。
産総研では、これまで生物情報解析研究センターを中心に、生命現象を解析する上で重要な技術の開発を進めてきた。
新設するバイオメディシナル情報研究センターでは、これまで産総研が蓄積してきたこれらの情報科学や実験科学を基盤にした技術を活用し、重要な生命現象の解明に向けた研究を一層発展させると共に、さらに、創薬、医療、診断薬の分野で産学官の連携を推進し、新たな創薬手法など産業基盤につながる技術開発の拠点としての役割を担うことにしている。
新しい研究センターでは今後、「タンパク質ネットワークの解明」、「タンパク質構造解析の基盤技術開発」、「新薬シーズの探索」、「機能性RNA(リボ核酸)の機能解明」、「ライフサイエンスデータベースの高度化」などの研究を進める。
これらの研究により、創薬の効率化に役立つ技術を産学官の連携を通じて幅広く提供すると共に、生命現象の発現を担う分子に関する情報を明らかにし、ヒトゲノム情報を利用したテーラーメイド医療(個人の体質などに合わせた病気の治療手段を提供する医療)の実現などにつなげていくことを目指す。
No.2008-13
2008年3月31日~2008年4月6日