最先端測地技術で国土を測る石岡測地観測局完成
―精度数mmから1mmに向上、5月1日運用開始
:国土地理院(2016年4月21日発表)

 国土交通省の国土地理院は4月21日、最先端の宇宙測地技術で国土を測る観測施設、石岡測地観測局が完成、5月1日から本格的に運用を開始する、と発表した。同局は数十億光年離れた星からの電波を複数のパラボラアンテナで受信、パラボラ間の距離を誤差1mmで測定するアジア最先端のVLBI(超長基線電波干渉)観測施設やGNSS(衛星測位システム)観測点、重力測定室などを備え、茨城県石岡市根小屋の茨城県畜産センタ-敷地内にある。

 新設の石岡測地観測局は国際共同観測で行うVLBI観測で日本の地球上での正確な位置(緯度・経度)を決定、日本での全ての位置測定の基準としたり、全国約1,300点あるGNSS観測点の効率的な位置測定などを行う。また、同局は地盤がしっかりした場所に位置しているので、安定した重力測定が行え、そのための施設も設けられている。

 国土地理院はこれまで、VLBI観測を平成10年度に茨城県つくば市に建設した32mのパラボラを用いて行い、地球上での日本の正確な位置(緯度・経度)などを測定して測量の基盤などにしてきたが、その精度は数mm止まりだった。今回新設の石岡局の観測開始で測量や人工衛星の軌道決定などの精度向上が期待される。なお、既存のつくば局のアンテナは暫く平行して運用されるが、平成28年度末に解体撤去の予定。

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