擬似電源回路網を簡単に校正できる技術を開発
―電子機器の安全性確認の効率化に貢献
:産業技術総合研究所/林栄精器(2016年4月19日発表)

 (国)産業技術総合研究所と林栄精器(株)は共同で、電子機器の安全性を確認する試験(電磁環境適合性(EMC)試験)のうち、電磁ノイズ(ノイズ)の試験に使う擬似電源回路網(LISN)を簡単に校正できる技術を開発したと、4月19日に発表した。

 スマートフォンやパソコンなど電子機器の爆発的な普及によって、これらの機器から発生するノイズが他の機器に誤動作を引き起こすことが心配されている。このためノイズは発生しても他の機器に影響を与えず、逆にノイズを受けても誤動作を起こさせない厳格な安全性試験が国際的に義務付けられている。

 他の機器のスイッチや回路の作動時に、ノイズが有線で伝わる場合の試験は、これまで3種類の標準器を使って複雑な計算をするなど手間のかかるデータ解析で校正値を算出していた。

 ノイズの試験機であるLISNのインピーダンス校正に最適な専用標準器を開発し、LISNと1回比較するだけで簡単に校正値が得られるように改善した。 

 これまでのLISN校正には1回に20分ほどかかっていたが、開発した専用校正器を使うと1回に90秒と大幅に短縮でき、校正が効率的に実施できるようになる。

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開発した専用標準器と擬似電源回路網の自動校正システム