(国)農業・食品産業技術総合研究機構は5月13日、同機構畜産草地研究所の2人の研究者が「2015年度日本畜産学会奨励賞」と「平成27年度日本養豚学会奨励賞」をそれぞれ受賞したと発表した。
受賞したのは、家畜生理栄養研究領域の石田藍子氏と芦原茜氏。
石田氏は、「飼料中リジン含量の充足により誘発される代償性成長に関する研究」で「2015年度日本畜産学会奨励賞」を受賞した。代償性成長は、成長の制限を受けた個体が制限要因から解き放たれると普通より早い成長を示す現象。石田氏は、アミノ酸の一種リジンに着目して研究を進め、豚の代償性成長の機構解明で成果を挙げたことが評価された。
芦原氏は、「暑熱環境下における飼育豚のリジン要求量並びに飼料への資材添加による暑熱適応策の有効性評価」の研究で、「平成27年度日本養豚学会奨励賞」を受賞した。暑い時期になると飼育豚の食欲が低下する。原因としては、暑さによる体温上昇、消化力の低下、酸化ストレスの増加などがいわれている。芦原氏は、豚の飼料にリジンや抗酸化成分を含む飼料、多糖類を分解する酵素を添加することなどで、消化力の低下防止や酸化ストレス低減など暑熱環境下の生産性低下の改善につなげられることを見つけ、評価された。