6月末~8月にソニックブーム低減化試験機の飛行試験
:宇宙航空研究開発機構(2015年5月12日発表)

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JAXA固有の低ソニックブーム設計技術を用いてソニックブーム低減化を図った「超音速試験機(S3CM)」(提供:JAXA)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月12日、「静かな超音速旅客機」の実現に向けソニックブーム低減を目指す無人試験機の飛行試験をスウェーデンで6月29日から8月31日の間に行うことになったと発表した。

 ソニックブームは、ジェット機の超音速飛行時に出る落雷に似た大音響のことで、その低減が次世代超音速旅客機を開発する上で課題となっている。JAXAは、それに応えようと「低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト(D-SEND)」を推進中で、現在第2フェーズに入っている。

 今回の飛行試験は、その一環として行うもので、開発した無人・無推力の小型試験機をフィンランド国境に近いスウェーデン宇宙公社(SSC)エスレンジ実験場(キルナ市)の上空で飛行させる。

 使用するのは、機体の先端と後端にソニックブーム低減化を施した超音速試験機(S3CM)。これを気球に吊り下げて上昇させ、高度が3万mに達した時点で切り離してマッハ約1.3(時速約1,560km)で滑空させ、地上に設置した計測システム上を通過する際に発生するソニックブーム波形を計測する。

 JAXAは、エスレンジ実験場で既に2回、試験を行っているが、2013年8月の1回目は試験機が予定の飛行経路から外れてしまい、想定していた飛行状態でのソニックブームを計測できずに終わっており、2014年8月の2回目は試験期間中の気象状態が悪く気球を放つことができなかった。

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