麦茶用大麦の新品種を開発
:作物研究所

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所は8月11日、麦茶用大麦の新品種を開発したと発表した。
 麦茶用の大麦としては、「カシマムギ」と呼ばれる品種が広く栽培されている。新品種は、「カシマゴール」といい、「カシマムギ」の栽培上の欠点を改良することに成功した。茨城県は、この新品種を既に準奨励品種にしている。
 「カシマムギ」が開発されたのは、1969年。以来、麦茶用大麦の主力品種として栽培されているが、土壌伝染性のウイルスによって発病する「縞萎縮病」に弱く、成熟期以降に茎が折れ易いなどの欠点がある。このため、近年は作付け面積が減少傾向にあり、国産の新たな麦茶原料用大麦の開発が望まれている。
 新品種「カシマゴール」は、「カシマムギ」で大きな問題になっている縞萎縮病に抵抗性を持ち、うどんこ病に対しても強く、成熟期以降も茎が折れにくい特性を持っている。
 また、「カシマムギ」と同程度の早生品種で、穂数が多く多収なのも特徴。
 この大麦を使った麦茶の味・香りは、「カシマムギ」と同等という。
 種苗法に基づく品種登録は、平成22年9月に済ませている。出願番号は、第25218号。

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