女性ホルモンが前立腺がん抑える仕組みを遺伝子レベルで解明
:筑波大学/東京大学

 筑波大学の研究グループは4月11日、東京大学と共同で男性特有の前立腺がんの治療に使われる女性ホルモンや女性ホルモン抑制剤ががん細胞の増殖を抑える仕組みを遺伝子レベルで解明したと発表した。女性ホルモンによる治療後に再発する再燃前立腺がんの治療に使われる女性ホルモン抑制剤が、がん細胞に対して細胞の“自殺”といわれる現象「アポトーシス」を促していることなどを突き止めた。研究グループは、今回の成果が副作用の少ない新しい前立腺がん治療薬の開発につながる可能性があると期待している。
 研究したのは、筑波大学生命領域学際研究センターの柳澤純教授と仲島由佳助教、東京大学大学院医学系研究科の井上聡特任教授のグループ。
 前立腺がんは、治療の第一段階では女性ホルモンのエストロゲン投与が有効とされるが、その効果は数年のうちに失われ、再び活発にがん細胞が増殖し始めるホルモン抵抗性再燃前立腺がんに進行することがある。研究グループは、その場合に有効とされる女性ホルモン抑制剤に注目、実験動物のマウスを用いてその働きを遺伝子レベルで調べた。
 その結果、女性ホルモンおよび女性ホルモン抑制剤は、生体内の「FOXO1」と呼ばれる遺伝子の働きを調節していることが分かった。さらに、中でも女性ホルモン抑制剤がその働きを活発化させていることを突き止めた。FOXO1の働きが活発化すると、正常細胞では増殖の際に不可欠とされる足場がなくても増殖可能というがん細胞特有の能力が抑えられ、その結果として前立腺がんのアポトーシスが促されて再燃前立腺がんの進行が抑制されることが分かったという。

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