(独)農業環境技術研究所は12月24日、日本各地の米、麦とその栽培土壌に含まれる放射性物質の「ストロンチウム(Sr)90」と「セシウム(Cs)137」の1959年から2006年までの分析データを一般公開したと発表した。
環境中には、微量の自然放射性物質のほか、1970年代半ばまで行われた核実験で生じた人工放射性物質が存在する。さらに1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故のような環境への突発的な放射性物質の放出もある。
こうしたことから同研究所は、農耕土壌と作物の安全性に関する情報の一つとして、1959年から国や地方自治体の農業関係の試験研究機関の協力を得て、代表的な人工放射性物質であるSr90、Cs137の米、麦とその栽培土壌中の濃度を分析し続けており、今回2006年までの分析データを公開したもの。
それによると、米、麦中のSr90、Cs137両核種の放射能量は、共に1963年に最高値(玄米の場合で1kg当たりSr90が8,228ミリ・ベクレル、Cs137が20,415ミリ・ベクレル)に達し、その後は減少に転じている。
調査は、現在も継続されており、順次新しいデータを公開していく予定という。
No.2009-51
2009年12月21日~2009年12月27日