VR技術で建築設備の安全・安心なデザイン考える新研究施設を公開:建築研究所

 (独)建築研究所は12月22日、つくば市(茨城)の同研究所内に完成したバーチャルリアリティ(VR:仮想現実)技術を応用して人間の動作を分析し、建築設備の安全・安心なデザインを考える新研究施設を研究機関や報道関係者などに公開した。
 人口の高齢化に伴い、浴室やトイレなどの住空間・設備の一層の安全・安心な環境づくりが求められている。それには、身体機能の低下や障害の有無など、人々の多様な側面を踏まえた設計が必要になる。
 公開した研究施設は、「空間行動計測室」といい、映画などで使われているVR技術を応用して人間の3次元的な動きや姿勢を分析する機能を備えており、今後この研究施設を使い人々の多様な側面に合わせた建築空間・設備の最適設計作りを行っていくことにしている。
 無いものを有るように見せるVR技術は、映画以外でもスポーツ医学やリハビリ、自動車設計などで導入が進んでおり、建築関連分野でも有用な技術として期待されている。
 同研究所では、先ずこの研究施設を幼児のおぼれ防止とか高齢者でも楽にまたげるといった個別の要素を満たした次世代の浴槽の開発や、これまで把握が難しかった介助に適したトイレ空間の設計などに役立てていきたいとしている。

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公開した「空間行動計測室」の内部(提供:建築研究所)