(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月24日、野口聡一さん(44)ら日米ロ3人の宇宙飛行士が乗ったロシアのソユーズ宇宙船が日本時間の同日午前7時48分(以下、時間は日本時間)、地球周回飛行中の国際宇宙ステーション(ISS)と結合、同9時半に宇宙船とISS間のハッチが開かれ、野口さんはオレッグ・コトフ(ロ)、ティモシー・クリーマー(米)両宇宙飛行士と共にISSに移乗、野口さんの日本人初の約5カ月間に及ぶISS長期宇宙滞在が始ったと発表した。野口さんの地球帰還は、2010年5月中旬の予定。 ISSに日本人宇宙飛行士が長期滞在するのは前回の若田光一さん(46)に次ぐ2人目だが、若田さんの滞在は2009年3~7月の約4カ月だった。同年5月からは、ISSの長期滞在が6人体制になり、15カ国が参加しているISS計画で日本は3年で2人のISS滞在が認められており、野口さんに続いて2011年には古川聡さん(45)、2012年には星出彰彦さん(40)が、いずれも約半年、長期滞在する予定。 今度の約5カ月のISS滞在中、野口さんは第22次・23次長期滞在クルーのフライトエンジニア(運航技術者)として、ISSシステムの維持管理・運用や日本実験棟「きぼう」の科学実験などを担当する。 野口さんが行なう予定の実験は、[1]表面張力が引き起こすマランゴリ対流のメカニズム解明に向けた基礎データ取得、[2]筋肉中のタンパク質の一つによる新規筋萎縮メカニズムの解明、[3]遺伝子レベルで調べる宇宙放射線の神経細胞への影響、[4]高品質のタンパク質結晶生成実験、[5]長期宇宙飛行時における宇宙飛行士の心臓自律神経活動に関する研究、[6]長期宇宙滞在する宇宙飛行士の毛髪分析による医学生物学的影響に関する研究、など。
詳しくはこちら
|
 |
ソユーズ宇宙船からISSに入る野口さん(提供:宇宙航空研究開発機構/米航空宇宙局) |
|