イラン・イラク地震で最大約90㎝隆起と解析結果を公表:国土地理院
(2017年11月17日発表)
国土交通省の国土地理院は11月17日、イラン・イラク国境付近で今月12日に発生した巨大地震について、地球観測衛星「だいち2号」が撮影したレーダー画像を解析し、震源域が最大約90cm隆起したと発表した。また、迅速な被害状況の把握や復旧に役立ててもらえるようイラン国立地図センターに情報提供した。
地震はイラン北西部の山岳地帯を震源としたマグニチュード7.3で、死者は500人以上、負傷者は7,800人以上に上ると見られている。
「だいち2号」には合成開口レーダーと呼ばれる高精度のレーダーが搭載されている。衛星が周回中に何度も電波の送受信を繰り返し、受信した電波による画像を合成することで高い分解能をえる仕組み。
それによるとイラン西部ケルマンシャー州サルポレザハブの北北西20kmを中心に、最大約90cm隆起し、西向きに最大約50cmの変動があった。この変動の範囲は直径約80kmの広範囲にわたった。
地表の変動の情報から、地下の断層が最大約3mもの滑りが発生したと推定。西側から沈みこむアラビアプレートに、東側からユーラシアプレートが乗り上げる逆断層運動が生じたとしている。