年上のきょうだい数と幼児の腸内細菌タイプの関連を発見―きょうだい構成と疾患リスクとの関連解明へ期待:理化学研究所ほか
(2026年10月16日発表)
(国)理化学研究所、千葉大学、兵庫医科大学、高知大学、東北大学、富山大学の共同研究グループは10月16日、年上のきょうだい数と、幼児の腸内細菌タイプとの間の関連を発見したと発表した。家族構成と、子どもの腸内環境の発達との関係性の理解を深める成果で、腸内環境に着目した病気の予防法などの検討に役立つとしている。
子どもの腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)は生まれてから成長する過程で大きく変化し、次第に大人に近い構成になっていく。こうした腸内環境に影響を与える因子のうち、近年ではきょうだい構成に注目が集まっている。
これまでの疫学研究では、年上のきょうだいがいる子どもでは、アレルギー疾患などの発症リスクが低いことが報告されている。また、年上のきょうだいの存在は特定の腸内細菌の割合や便中の短鎖脂肪酸濃度とも関連することがわかってきた。
しかし、きょうだいの存在と腸内環境との関連がどのような経路で生じるのかは十分にわかっていない。
研究グループは今回、2歳時と4歳時の便と生活環境の情報を組み合わせ、年上のきょうだいの数と腸内環境の関連、およびその関連に関わる経路を調べた。具体的には、子どもの健康と環境に関する全国調査であるエコチル調査の詳細調査に参加する子どもを対象に、共同研究参加機関がさらに追加調査を実施した。調査では、2歳児903人と、そのうち4歳時でも参加した684人の便を解析した。
周産期や家庭・生活環境に関わる要因と腸内細菌叢の構成との関連を調べたところ、年上のきょうだいの数は、2歳時と4歳時のいずれも強い関連を示した。また、年上のきょうだいの数が多いほど、2歳時には複数の便中短鎖脂肪酸が高く、4歳時にはプロピオン酸濃度が高いという関連が認められた。
腸内細菌叢を細菌の多様性と便中プロピオン酸濃度に着目して3つのタイプに分類したところ、年上のきょうだいがいる子どもでは、細菌の多様性と便中プロピオン酸濃度が最も低いタイプに分類される割合が低いことがわかった。
4歳時では、年上のきょうだいの数と腸内細菌叢のタイプとの関連を仲介する可能性のある複数の因子を検討したところ、直近3ヶ月の抗菌薬使用を介する経路が、年上のきょうだいの数と腸内細菌タイプ関連の一部に関与する可能性が示唆されたという。



