[編集発行] (公財)つくば科学万博記念財団 [協力] 科学技術振興機構(JST)・文科省研究交流センター

つくばサイエンスニュース

ここに注目!

RISTEX秋のイベントご紹介 Part1

(2022年11月01日)

はじめに

 国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(以下、RISTEX)は、現代社会が直面する社会問題の解決および科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への対応を通して、新たな社会的・公共的価値を創出するための研究開発を推進しています。

 2022年度の秋は、多くの主催や関連のイベントが企画されていますのでご紹介します。

 

●科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム関連イベント

第42回SciREXセミナー「どうする?日本のインフラマネジメント ~点検データの山から見出す意思決定の道筋~

https://www.jst.go.jp/ristex/info/event/20221104_01.html

 科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラムは、SciREX事業の一環として、客観的根拠に基づく科学技術イノベーション政策の形成への寄与を目的に、政策ニーズも踏まえつつ、政策形成の実践に将来的につながりうる、新たな発想に基づく研究開発成果の創出を目指しています。このプログラムにおいて研究開発プロジェクトの研究代表を務められている 貝戸 清之 准教授(大阪大学 大学院工学研究科)が、第42回SciREXセミナーに登壇されます。

 高度経済成長期以降に集中的に整備された日本のインフラ。そのマネジメント政策はベテラン技術者の長年の経験や知識、勘に基づいて形成されてきました。しかしながら、団塊的な老朽化が現れていることに加え、人口減少に伴う社会の縮小、AIやドローンといった革新的技術の登場など、インフラやその周辺環境には劇的な変化が起こっています。利用者の安全・安心の確保を第一に、マネジメントの合理化を図っていくためには、科学的根拠に基づく意思決定を行っていくことが一層重要です。

 そこで第42回SciREXセミナーでは、JST-RISTEXのプロジェクト「科学的エビデンスに基づく社会インフラのマネジメント政策形成プロセスの研究」を取り上げます。2019年度の採択以降、データサイエンスの手法からインフラの補修や更新に関する需要を予測する方法論の開発、予測結果を用いたマネジメント政策形成のプロセスの構築などを目指してきました。研究代表の貝戸清之氏(大阪大学大学院工学研究科 准教授)は、シミュレーションモデルの精度を向上させる上でも、そういった成果物がきちんと活用される上でも、ステークホルダー間の溝に橋を架けるような丁寧なコミュニケーションが欠かせないといいます。

 当日は、貝戸先生によるプロジェクトの概要説明と成果報告に加え、劣化予測やマネジメント施策の最適化に取り組む若手研究者、インフラを管理する企業の方から話題提供をいただく予定です。それぞれどのような課題意識からプロジェクトに取り組み、その中でどのような気づきを得たのでしょうか。セミナーの後半では、参加者からのご質問やご意見を踏まえたディスカッションも行います。ぜひご参加ください。

■日時:2022年11月4日(金)18:30~20:00

■会場:オンライン(Zoomウェビナー)

■主催:SciREXセンター、文部科学省

■参加:無料

■スピーカー:

貝戸 清之(大阪大学 大学院工学研究科 准教授)

水谷 大二郎(東北大学 大学院工学研究科 助教)

中村 和博(西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)関西支社総務企画部企画調整課)

■モデレーター:

黒河 昭雄(神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター研究員(シニアマネージャー)/JST-RISTEX「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」研究推進委員)

■詳細:https://scirex.grips.ac.jp/events/archive/221019_2898.html

■申込:https://zoom.us/webinar/register/WN_UIPMhRblS0CtpHF4ujn8QA

■お問い合わせ:

政策研究⼤学院⼤学(GRIPS)科学技術イノベーション政策研究センター

広報担当 scirex-center@grips.ac.jp

 

 

●SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(シナリオ創出フェーズ・ソリューション創出フェーズ)石川プロジェクト主催イベント

石川プロジェクト 令和4年度 タスクフォース養成研修会

https://www.jst.go.jp/ristex/info/event/20221119_01.html

 SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(シナリオ創出フェーズ・ソリューション創出フェーズ)は、自然科学や人文社会科学の知識や技術、さらにはステークホルダーとの対話・協働を通じて得られる「現場知・地域知」なども活用し、「シナリオ創出フェーズ」と「ソリューション創出フェーズ」の二段階構成でSDGsの達成に資する成果の創出をめざすプログラムです。このプログラムにおいて研究開発プロジェクトの研究代表を務められている 石川 信一 教授(同志社大学 心理学部)が、11月19日・20日の二日間にわたり、タスクフォース養成研修会を開催されます。

 不登校や自殺等、子どもが抱える心の問題は、全国的にも大きな課題であり、より効果的な予防的介入法が求められています。石川プロジェクトでは「こころあっぷタイム」という子どものためのメンタルヘルス予防教育プログラムを開発し、その普及を進めています。

 本研修会は、このプログラムの普及に向けて、子どもたちが抱える心の問題に対する認知行動療法に基づく予防介入プログラムについて学び、当プログラムの実施・指導ができるタスクフォースを養成することを目的として開催します。タスクフォースとは、一般的には「緊急かつ重要な任務に従事する精鋭部隊」を意味しますが、このプロジェクトでは、メンタルヘルス予防教育プログラムを普及するために養成された指導者のことを指します。この研修会の修了者は、指導者としてプログラムを利用することができます。

■日時:2022年11月19日(土)10:00~16:00/11月20日(日)10:00~12:30

■会場:

 対面:同志社大学 京田辺キャンパス 香柏館 低層棟 105・107

 オンライン:Zoom

■主催:同志社大学 心理学部 石川研究室

■参加:無料

■詳細:http://mentalhealthprogram.jp/workshop/787/

■申込:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd0wS08xPXev8yV_s2bHf45_Wf0Ioegay5jvFsjpKev0lmxyw/viewform

■お問い合わせ:info.mhprogram@gmail.com

 

 

●科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム関連イベント

日本学術会議公開シンポジウム「新興医療評価技術の適格性認定システムの構築とその課題」

https://www.jst.go.jp/ristex/info/event/20221121_01.html

 科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラムは、SciREX事業の一環として、客観的根拠に基づく科学技術イノベーション政策の形成への寄与を目的に、政策ニーズも踏まえつつ、政策形成の実践に将来的につながりうる、新たな発想に基づく研究開発成果の創出を目指しています。このプログラムにおいて研究開発プロジェクトの研究代表を務められた 加納 信吾 教授(東京大学大学院新領域創成科学研究科)が、日本学術会議公開シンポジウムに登壇されます。

 バイオマーカー、モデル疾患動物、臓器チップ等の動物実験代替技術などの医療製品の有効性、安全性、品質を評価するための新しい方法は「医療評価技術」(英語ではDevelopment tool)と総称されます。医療評価技術は科学技術の進歩とともに更新されていく必要があり、医療評価技術の進歩は医療の進歩と直結しています。レギュレーションの進歩なくして、イノベーションの実現は望めず、21世紀に開発された製品を20世紀の方法で評価していては正しい評価は期待できません。しかしながら、新しい評価方法を採用するにはエビデンスが十分に揃っていないことが多く、評価方法が妥当かどうかをエビデンスとともに検証し、薬事申請におけるデータ取得に使ってよいという「適格性認定」を積極的に付与していく「仕組み」を用意しておくことが求められています。

 シンポジウムでは、こうした医療評価技術の適格性認定を迅速に実施する仕組みをどのようにデザインしていくかについて、海外で実施されている評価技術の適格性認定(Development tool qualification)の動向も踏まえ、産官学で意見交換を行います。

■日時:2022年11月21日(月)13:00~17:30

■会場:東京大学医科学研究所 講堂(1号館1階)/Webinarによるハイブリッド開催

■参加:無料(要・事前申込)

■主催:日本学術会議:先端医療技術の社会実装ガバナンスの課題検討分科会

■詳細:http://bioip-lab.org/files/20221121_poster_final3.pdf

■申込:https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_iGzycwiXSQ-t7WnWEDt18w

■お問い合わせ:

東京大学大学院新領域創成科学研究科

生命棟事務室 mail: sympo@bioip-lab.org

 

国立研究開発法人 科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(JST-RISTEX) 
広報担当