(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月18日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に搭載している宇宙環境計測ミッション装置(SEDA-AP)の初期機能確認が完了し、定常運用に入ったと発表した。
「きぼう」は、NASA(米航空宇宙局)のスペースシャトルで2008年3月から3回に分けて高度約400kmの地球周回軌道を回るISSに運ばれ、今年7月に完成した。
今回定常運用に入ったSEDA-APは、その3回目の今年7月16日(日本時間)にスペースシャトル「エンデバー」で打ち上げられ、「きぼう」の船外実験プラットフォームに取り付けて8月4日以降、地上からの遠隔操作で電気・通信系、各ミッション機器の機能確認に入っていた。
今後SEDA-APでは、高度約400kmの宇宙空間の中性子、重イオン、プラズマ(イオンと電子の混在した状態)、高エネルギー粒子、原子状酸素の計測と、電子部品の評価試験を約3年にわたって同時進行で行うほか、微小なスペースデプリ(宇宙ゴミ)の捕獲、材料の曝露試験をそれぞれ8カ月程度実施する予定。
JAXAは、取得したデータを将来の宇宙機やそれに搭載する機器の設計、材料開発のための基礎データにしたいとしている。
No.2009-37
2009年9月14日~2009年9月20日