9月11日打ち上げた「HTV」、ISSとのドッキングに成功
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月18日、新大型「H-ⅡB」ロケットで種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)から9月11日に打ち上げた「宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機」が日本時間の9月18日午前10時49分(以下、時間は全て日本時間)に国際宇宙ステーション(ISS)との結合を完了したと発表した。
 これでISSの搭乗員がHTVに入れるようになり、運んで来た衣料、食料・観測機器など約4.5tの貨物をISSに移し、替わりにISS内の廃棄物などをHTVに収容する作業が可能になった。
 9月11日の打ち上げ後HTVは、米航空宇宙局(NASA)のデータ中継衛星などを利用したJAXA筑波宇宙センター(茨城・つくば市)からの制御で約1週間かけて、高度約345kmの地球周回軌道を飛行中のISSに接近した。18日未明、ISSの下方約500mから最終接近を開始、同日午前4時51分、ISSのロボットアームがHTVを捉え、「ハーム」と呼ばれるISSの結合部にドッキング、電力系、通信系の接続、チェックなどが行なわれ、その作業終了でHTVの結合作業は完了した。
 HTVは、全長約10m、直径同4.4m、自重同10.5tの円筒形をした無人宇宙機。約6tの荷物を地球周回軌道を飛行しているISSまで送り届ける能力を持っている。ロシアや欧州宇宙機関(ESA)の無人補給機と違って、大型器材も積めるのがHTVの特色。このため、NASAの「スペースシャトル」引退後は、それに替わる活躍が期待され、来年からISSの当面の運用期限の2015年まで毎年1機、合計6機のHTVを「H-ⅡB」ロケットで打ち上げることが計画されている。
 今回のHTV技術実証機は、今年11月初旬にISSを離れ、軌道を下げて最終的には地球大気圏に再突入して燃え尽きる。

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ISSにドッキングしたHTV技術試験機(円筒状の部分)(提供:宇宙航空研究開発機構)