(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月24日、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と人工衛星を利用した災害監視に係る相互協力の合意書に署名したと発表した。
JAXAは、世界各国と人工衛星の利用促進、国際研究協力を進めている。今回の相互協力は、JAXAとDLRが運用しているそれぞれの合成開口レーダー(SAR)搭載衛星を相互に利用して、災害監視のための研究協力を行うことになったもの。
具体的には、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)と、DLRが2007年に打ち上げ運用中の地球観測衛星「TerraSAR-X」を使い、両衛星搭載の合成開口レーダーを利用しての研究協力を進める。
合成開口レーダーは、昼夜・悪天候を問わず観測が可能なことから、JAXA、DLR双方の緊急観測要求に応じて両衛星のデータ交換を行う可能性を先ず検討する。
合成開口レーダーは、火山活動による地殻変動、地中の活断層の動き、地盤沈下などの監視に役立ち、使用する電波の波長が短いほど検出分解能が高くなる。研究協力では、波長の長いLバンド(「だいち」)と、波長の短いXバンド(「TerraSAR-X」)の利用技術について共同研究を行うため、今後、具体的な内容などを調整することにしている。
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No.2009-34
2009年8月24日~2009年8月30日