実物大7階建て木造建物の耐震実験を実施
:防災科学技術研究所/全米科学財団

 (独)防災科学技術研究所は7月14日、同研究所兵庫耐震工学研究センター(兵庫・三木市)の大型3次元震動破壊実験施設「E-ディフェンス」を使って同日、米国の全米科学財団(NSF)と共同で、7階建て木造建物の震動実験を行い一般に公開したと発表した。
 実験は、E-ディフェンスの震動台上にツーバイフォー工法で造った実物大の7階建て“木造ビル”を載せ、過去の大地震で記録された揺れで揺らして木造建物の大地震下での性能を検証する目的で行われ、木造建物の強さが証明された。
 実験した7階建て木造建物の大きさは、縦横が12.4m×18.4m、高さが20.4m、重さは約360t。これだけ大きな試験体をE-ディフェンスの震動台に載せたのは初めて。この試験体に約300個のセンサーを取り付け大地震時の挙動を詳細に計測した。
 ツーバイフォー工法は、別名「木造枠組工法」、米国では「ウッド・フレーム工法」といい、柱や梁で建物を支える木造軸組工法とは違い合板製の壁や床で支える工法のこと。欧米では、標準的住宅工法として広く使われ、日本でも1974年頃から普及しだした。
 今回の実験は、同研究所とNSFの国際共同研究の一環としてコロラド州立大学の研究グループが参加して行われ、1994年1月ロサンゼルス市を襲ったノースリッジ地震で記録された地震波や、米国の耐震設計用波形などが試験体に加えられた。その結果、構造部材に大きな被害は発生せず、ツーバイフォー工法の強さが改めて確認された。

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