排ガスのクリーン化と温暖化防止目指す新発電システムを開発:産業技術総合研究所/バイオ混合DME発電システム開発コンソーシアム

 (独)産業技術総合研究所は4月25日、バイオ混合DME発電システム開発コンソーシアムと共同でジメチルエーテル(DME)とバイオ燃料の一種パーム油メチルエステルの混合物を燃料とする、ディーゼルエンジン使用の「バイオ混合DME発電システム」を開発、400時間の耐久試験を終了したと発表した。
 DMEは、天然ガスや石炭、バイオマス(植物資源)などから合成され、軽油と同等の着火特性を示し、燃焼時に煤(すす)を全く排出しないことからディーゼルエンジン用のクリーン燃料として期待されている。
 「バイオ混合DME発電システム」は、資源の多様性とクリーン性を備えたDMEと、地球温暖化対策となるバイオ燃料の両方のメリットを生かし、理想的な分散型エネルギーシステムを実現することを目指して開発した可搬型のパワープラントで、電気出力は50kW。外食産業などの小規模商用施設、災害対策用などへの利用が期待される。
 DMEとパーム油メチルエステルの混合割合は9対1。本来低温での流動性が悪いパーム油メチルエステルもDMEと混合することで改善され、国内のほとんどの地域・季節で使用可能な低温流動性が確認されたとしている。
 また、パーム油メチルエステルを10%混合しても煤の発生はないという。
 同研究所では、実用化に向けた検討をさらに進めていく計画。 

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排ガスのクリーン化と地球温暖化防止の両立を目指す電気出力50kWの可搬型バイオ混合DME発電システム(提供:産業技術総合研究所)