(独)宇宙航空研究開発機構は2月12日、X線CCD(電荷結合素子)カメラの不調で観測を中断していたX線観測衛星「すざく」が正常に戻り観測を再開したと発表した。
「すざく」は、遠い天体のX線観測と、宇宙の高温プラズマの観測、ブラックホール直近領域の探査などを目的に2005年7月に打ち上げられた科学衛星。口径40cmの新型X線望遠鏡などと共に高分解能のX線CCDカメラを搭載し、世界最高レベルのX線観測能力を示すなど順調な観測を続けていた。
ところが、今年の1月31日に「すざく」から地上へ送信されるデータに欠落が生じる異常が発生、以来原因の究明と対応策の検討を急いでいた。
今回の観測再開は、不具合がX線CCDカメラのデータ処理系の半導体基板(CPU基板)で生じていると見られることから、予備のCPU基板に切り替え実現したもの。
同機構は、引き続き原因の究明にあたるとしている。
No.2008-6
2008年2月11日~2008年2月17日