(株)コメットを「NIMSベンチャー企業」に認定、新材料合成装置を商品化
:物質・材料研究機構

 (独)物質・材料研究機構(NIMS)は2月14日、株式会社コメット(本社・茨城県つくば市)を同機構が支援する「NIMSベンチャー企業」に認定したと発表した。同社は、NIMSが開発した「コンビナトリアル装置」と呼ばれる次世代の新材料合成装置の商品化を図るため、昨年12月26日に設立された。
 組み合わせを利用して多数の化合物を同時に合成し、その中から目的に合った化合物を探し出す化学を「コンビナトリアル化学」と言い、有機材料、無機材料の新しい合成法として世界的に脚光を浴びている。
 同機構のコンビナトリアル装置は、数種類の材料に関しバルク(塊)や薄膜を高速で自動成長させることが出来、新規の機能性材料の探索が短時間で行えるという優れたメリットを持つ。実際、同機構では、そのコンビナトリアル装置を使い、これまでに新ガラス材料や酸化亜鉛発光デバイス、高誘電体薄膜材料の開発などで多くの成果を挙げている。
 コメットは、バルク生成・薄膜形成装置、材料評価装置の設計・製造・販売を中心に、コンサルティングと材料ライブラリーの提供も行い、同機構の技術を世界に広げることを目指す。  
 米国の市場調査会社フリードリア社の調査では、世界のコンビナトリアル化学の市場規模は2011年までに11兆円に成長すると予想され、日本国内でも数千億~数兆円規模になると見られ、半導体や自動車など基幹産業での新材料開発のスピードアップにつながるものと期待されている。

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