NMR用電源安定化のための調整装置を開発
:物質・材料研究開発機構/住友電設

 (独)物質・材料研究機構は11月7日、国内最大の強磁場を発生するハイブリッド磁石で高分解能の核磁気共鳴(NMR)測定を可能にするための「大電流ダミーロード(模擬負荷)」と呼ばれる電源安定化のための調整装置を住友電設と共同で開発したと発表した。
  材料研究に利用されるNMR装置の強磁場を発生する方法としては現在、電磁石と超伝導磁石を組み合わせるハイブリッド磁石が最高とされているが、電源の安定度が磁場の安定度に直接影響する。とくに、電磁石の磁場安定度は、超伝導磁石に比べて圧倒的に劣るため、電源出力調整がいる。しかし、調整時に発生する出力変動によって磁石には過大な電磁力がかかり破壊することがある。
そのため、磁石と同等の負荷性能を持ちながら急激な出力変動に耐える大電流ダミーロードを接続し、電源出力を安定化した後に磁石へと接続を切り替える必要があり、その開発を進めていた。
  ハイブリッド磁石を使い30Tテスラ(テスラは電磁密度の単位。1テスラは1万ガウス)を超える強磁場を作ってNMR測定が実現すれば、これまで水素と炭素に限られていたNMR分析が他の元素でも可能になるものと期待されている。

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