月探査衛星「かぐや」撮影の世界初の月面ハイビジョン画像を公開
:宇宙航空研究開発機構/NHK

(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本放送協会(NHK)は11月7日、月を周回飛行中の月探査衛星「かぐや」が撮影したハイビジョン画像を公開した。この撮影は月の南北極上空を通る高度約100kmの観測軌道からNHKが開発した宇宙用ハイビジョンカメラを使って行われた。ハイビジョンテレビカメラによる月面撮影は、世界でも初めて。
 公開された画像は、日本時間10月31日早朝、「かぐや」が地球から見た月の北半球左端部分を南から北に向かって飛行中に8分間を1分に縮めて収録する撮影方式で2回にわたって収録した動画から、静止画として切り出したもの。JAXAの臼田宇宙空間観測所(長野県)で動画像を受信、NHKがデータ処理した。
 1回目の画像は、撮影地域が「嵐の大洋」と呼ばれる“海”の部分より北の位置から北極中心に向かって撮影した。緯度が高いので、太陽光線の差し込む角度が浅く、クレーターの影が長く、はっきり見えている。2回目は「嵐の大洋」の西側を南から北へ向かって撮影しており、暗く見える海と呼ばれる部分と、明るく見える高地と呼ばれる部分が写っている。

詳しくはこちら

「かぐや」からハイビジョンカメラで撮影した月面の静止画。第1回目の撮影で得た動画から切り出した北極付近。クレーターがはっきり見える(提供:宇宙航空研究開発機構/NHK)