(独)産業技術総合研究所は7月30日、今年3月に起きた「2007年能登半島地震」の震源域での海底音波探査で長さ18km以上の海底活断層を確認したと発表した。
この探査は、総合科学技術会議の「2007年能登半島地震に関する緊急調査研究」の一環として産総研と海上保安庁とが共同で7月3日から10日まで実施した。調査海域では、これまでにも断層の存在が報告されていた。
調査は、能登半島の輪島市(石川)門前町沖から羽咋郡(同)志賀町沖にかけての海域で行われた。側線の長さは約190km。調査の結果、従来言われていたのとほぼ同じ場所に断層を確認し、その断層は過去約2万年の間に1~2回活動していること、今回の地震で断層の一部の海底に僅かだが変動が生じていることが分った。今後、断層周辺の堆積物を採取して年代を測定、過去の断層の活動年代を推定する。
探査には、産総研が新開発した高性能のマルチ・チャネル音波探査装置が使われた。海面付近で強力な音波パルスを発生させ、海底面と海底下の断層からの反射音を受信することで、それらが存在する深さが分る。今回の装置は、分解能向上のため周波数の高い音源を使い、受信部を12チャネルに拡大、デジタル化した。また、探査後のコンピューター処理で反射音を強調、従来より高品質のデータが得られるようにした。
No.2007-30
2007年7月30日~2007年8月5日