(独)農業・食品産業技術総合研究機構と岩手県農業研究センターは4月16日、インターネット上の簡単な操作で農業経営のシミュレーションができる｢農業技術体系データベース・システム｣を共同開発したと発表した。また、このシステムの実用性を高めるため九州大学と共に無料で一般に公開(http://fsdb.dc.affrc.go.jp/)した。
　農林水産省の施策では、今後の地域農業の主な担い手は、経営規模の大きな認定農業者や集落の農地の多くを集積した集落営農としている。それらの大規模な経営体が的確な経営計画を作成する際には、米・麦・野菜・果樹など栽培作物ごとの体系的なデータに基づく経営判断が必要なため、それを支援するシステムが要望されている。
　新開発の農業技術体系データベース・システムは、そのニーズにこたえるもので、ホームページ上において「作付けしたい作物を選択し、作付面積を入力する」といった簡単な操作で利用でき、複数の作物を組み合せて経営を行う場合の経営収支・所得・労働時間などを、グラフや表形式で分かりやすく表示できるのが特徴。
　現在、データベースには岩手県の主要品目125体系が登録されており、岩手県とその近隣地域の経営判断などに利用できるようになっている。今後は、他の都道府県にも呼びかけて対象地域を広げ、全国規模でのデータベースの充実に努めることにしている。

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