温室効果ガス観測衛星の試験機を公開
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構は1月29日、開発中の温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT(ゴーサット)」の試験用機体を筑波宇宙センター(茨城・つくば市)で報道陣に公開した。    
 GOSATは、地球温暖化をもたらす二酸化炭素(炭酸ガス)などの温室効果ガスの濃度分布を宇宙から観測する衛星で、2008年夏打ち上げを目指し同機構と環境省、国立環境研究所が共同プロジェクトとして進めている。開発費は約180億円。
 同日公開されたのは、実際に打ち上げる衛星が打ち上げ時の振動や宇宙飛行時に曝される厳しい温度変化に耐えられるかなどを地上で試験するための機体。打ち上げ用衛星とほぼ同じ大きさ(2m×1.8m×3.7m)だが、太陽電池パドルなどは着けていない。実際に打ち上げるGOSAT衛星の重さは、約1,650kg、今夏には完成の予定だ。
 温室効果ガスの地上の観測点は、地球全体として見ると、北半球や先進国に偏在している。約100分で地球を1周するGOSATが観測を開始すれば、地表の約5万6,000地点の二酸化炭素やメタンの濃度を宇宙から高精度のセンサーで測定し、提供出来るようになる。

「GOSAT」の試験用機体(提供:宇宙航空研究開発機構)