新規なハイブリッドナノ粒子の分散液を開発
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は1月25日、酸化セリウムが球状に集合し、その周囲を有機ポリマーが覆った構造を持つ「酸化セリウム/ポリマーハイブリッドナノ粒子」の分散液を開発したと発表した。この分散剤は、ガスセンサーや紫外線をカットする化粧品、化学的な機械研磨剤などへの応用が期待できるという。
 今回開発した製法は、セリウムの金属塩と有機ポリマーを有機溶媒に溶かした均一溶液を20分間加熱する。それにより、析出した酸化セリウム粒子が球状に集合し、その周囲を有機ポリマーが覆ったナノ粒子が溶液中に自己組織的に生成され、分散液が作製できる。
 ナノ粒子の粒径は、添加するポリマーの分子量を変化させることで、50~120ナノ(ナノは10億分の1)mの範囲で制御することが可能という。このナノ粒子は、乾燥させた後、新たに分散液を加えなくても水や有機溶媒への再分散が容易で、高濃度の分散液を調整することができ、これを乾燥するとナノ粒子のコロイド結晶が得られる。このコロイド結晶は、屈折率が周期的に変化するフォトニック結晶として機能する可能性を示した。