(独)農業環境技術研究所は1月12日、キュウリの台木(だいぎ)として使われるカボチャの殺虫剤「ディルドリン」吸収性を調べたところカボチャの品種によって吸収性に差のあることが見つかったと発表した。
台木は、接木(つぎき)の際の根のある方の植物のこと。我が国のキュウリは、カボチャを台木とする接木栽培でその多くが栽培されている。今回の成果は、キュウリのディルドリン汚染低減に役立つと見られ、現在地域の農業研究機関で実証試験が続けられている。
ディルドリンは、土壌中で分解され難く、我が国では使われなくなってからすでに30年以上経つが、今も農地に残留し対策を余儀なくされている。
同研究所では、キュウリ栽培に使われている台木用カボチャ10品種と穂木(接木する茎)用キュウリ23品種をディルドリン汚染土壌で栽培して茎葉部のディルドリン吸収量を比較した。その結果、それぞれ約3倍の品種間差のあることが分かり、台木用カボチャ3品種と穂木用キュウリ2品種を使った接木キュウリをディルドリン汚染土壌で育てたところ実ったキュウリ中のディルドリン濃度は台木の影響を強く受けていることが判明した。
No.2007-2
2007年1月8日~2007年1月14日