技術試験衛星「きく8号」静止軌道に乗る
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月9日、同機構が昨年12月18日に種子島宇宙センターから「H-ⅡA」ロケットで打ち上げた技術試験衛星「きく8号」が、赤道上空高度約3万6000kmを地球の自転と同じ方向に飛ぶ静止軌道に計画通り乗ったと発表した。静止点は東経約146度。JAXAは、共同開発した(独)情報通信研究機構、日本電信電話㈱と協力して搭載機器の初期機能確認後、4月下旬から通信実験を始める。
 「きく8号」は、携帯電話などの移動体通信をさらに便利にするための技術試験衛星で、重さは約3t。静止軌道から地上の小型携帯端末と直接通信実験するため、展開時の大きさが19m×17mもある世界最大級のアンテナを2つ(送信用と受信用)持っている。このアンテナは、細い金属の糸を編んだもので、打ち上げ時は折りたたまれている。
 JAXAは、昨年12月26日までに「きく8号」の送・受信両アンテナの展開を終え、同28日から静止軌道に乗り移るための軌道制御を始め、日本時間1月8日午後8時前に最後の軌道制御を実施。その後の軌道計算により、静止軌道に乗ったことを確認した。