(独)農業生物資源研究所などの共同研究グループは1月9日、イネの遺伝子の数は約3万2000であると推定した研究成果を発表した。
イネのゲノム(全遺伝情報)の塩基配列については、2004年12月に完全解読が終了しているが、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という4種類の塩基の羅列にすぎず、生命現象の解明には配列中に含まれる遺伝情報の機能を明らかにしなければならない。
同研究所では、(独)産業技術総合研究所、国立遺伝学研究所と共同で、イネのゲノム塩基配列の情報を解析する国際共同研究プロジェクトを組織した。この国際共同研究プロジェクトには、12の国と地域の計35の研究機関が参加している。
今回の共同研究では、塩基配列のどの部分がどのような役割を担っているかを明らかにする「アノテーション」と呼ばれる作業を行い、イネゲノムの全塩基配列上にある2万9550の遺伝子の位置を確定した。これをもとにして、イネの遺伝子数は約3万2000と推定した。
また、確定遺伝子の内2万8540個がタンパク質をつくる遺伝子である可能性を明らかにした。これらの遺伝子の機能を調べた結果、約70%の1万9969の遺伝子の機能を説明することができた。さらに、イネにしかない約5700の遺伝子も発見した。
これらの情報は、データベースとして公開されている(http://rapdb.dna.affrc.go.jp/およびhttp://rapdb.lab.nig.ac.jp/)。
研究成果は、米国の科学誌「ゲノム・リサーチ」に掲載されるが、それに先立って1月9日午前7時(日本時間)にオンライン版で紹介された。
No.2007-2
2007年1月8日~2007年1月14日