コバルト含まない安価なリチウムイオン電池材料を開発
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は6日、リチウムイオン電池用のコバルトを含まない安価な新しいプラス極材料を2種類開発したと発表した。主成分は、鉄、マンガン、チタンで、ハイブリッド自動車向けなど大型の電池用材料として期待出来るという。
 リチウムイオン電池は、ノートパソコンやデジタルカメラなどに広く使われているが、主要な電池材料に埋蔵量の少ないコバルトを採用している。このため、電池自体が高価になり、ハイブリッド車などの大型電池用向けとして、コバルトに代わる安価で大容量の新材料が求められていた。
 今回開発した材料は、鉄とマンガンを主成分にチタンを加えた化合物と、チタンを加えない化合物の2種類。いずれも既存のコバルトを含む材料の充放電量を上回ったが、チタンを含むものは、60℃での初期放電容量が既存の材料の1.5倍以上の1g当たり約260mA時を達成した。また、粉末同士をプラズマ放電によって接合する「通電焼結法」を用いた炭素材との複合化技術により、チタンを含まない材料の高出力化も可能にした。