想定外の積雪に対する温室の雪害対策で簡易手引き作成
:農業・食品産業技術総合研究機構(2016年2月15日発表)

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パイプハウス間口横断方向のブレース設置例。ブレースは直径3.2mmのなまし鉄線(提供:(国)農業・食品産業技術総合研究機構)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構は2月15日、積雪の少ない地方での温室の雪害対策について簡易手引きを作成したと発表した。同機構農村工学研究所によるもので、想定外の積雪に対し手軽にできて、被害を軽減できる対策を紹介している。

 温暖化の進展で、今後、降雪量の変化で、これまで降雪量の少ない地域でも想定外の降雪の可能性がある。同研究所では、平成26年2月の大雪により倒壊した温室40件の被害状況を調査、これを基に手引きを作成した。手引きは温室を「連棟ハウス」・「単棟ハウス」、「冷暖房あり」・「冷暖房なし」の4つパターンに分けて農家自身がコストをあまりかけずに行えるように例示している。

 事前対策として、①連投ハウスの柱・基礎接合部の補強、ブレース(斜材)の設置、連棟ハウスの谷部の融雪水が浸透しないようにする②単棟ハウスでのアーチパイプをブレース(斜材)や中柱で補強③連携ハウスでもブレースは有効④被覆材のたるみの除去や、ネット類の撤去など屋根上の滑雪阻害要因の除去―などを示している。

 また、当日の対策として、①降雪開始とともに暖房機を作動②連棟ハウスでは移動式カーテンを開放した状態で降雪開始とともに暖房機を作動―などをあげている。

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