(独)産業技術総合研究所と(株)島津製作所、日本電子(株)、(株)リガクは5月31日、ナノテク材料の特性評価や計測技術などの標準化を目指して6月1日にコンソーシアムを発足させると発表した。装置や手法を共同で研究開発し、技術の融合・統合を通して標準化を推進する。
■素材、化学メーカーや大学などとの連携も
新コンソーシアムの名称は「ナノ材料の産業利用を支える計測ソリューション開発コンソーシアム」。電子顕微鏡、分析装置、X線装置などナノテクの研究開発に不可欠な技術で日本を代表する3企業が結集した。
ナノ材料はカーボンナノチューブなどに代表されるように、大きさがナノメートルレベル(1nmは10億分の1m)の超微細な材料。新奇な特性が数多くあり、様々な産業技術の創出が期待されている。半面、生体や環境への影響を懸念する声もあり、欧州ではナノ材料の流通に対する届け出制を導入する国が出始めている。
こうした動きに対応し、ナノ材料の産業化を促進するうえで、計測技術・手法の高度化、標準化の重要性が高まっている。
コンソーシアムでは、日本企業が得意とする計測技術を持ち寄って共同で研究開発し、様々なナノ材料の取り扱いや計測手法の共通化・標準化を図る。今後、分析機器メーカーにとどまらず関連する素材、材料、化学メーカー、製造装置メーカー、分析サービス提供会社、大学・公的研究機関などとも連携し、ニーズに即した研究開発プロジェクトを推進したいとしている。

ナノ材料の産業利用におけるナノ計測ソリューションコンソーシアムの体制(提供:産業技術総合研究所)