(独)農業生物資源研究所は5月2日、平成25年度に行う遺伝子組換えイネの隔離圃場(ほじょう)栽培実験の計画書を発表した。計画書によると、隔離圃場で栽培実験を行うのは、同研究所が遺伝子組換え技術を使って開発した、いもち病や白葉枯病など複数の病害に抵抗性を持つ「複合病害抵抗性イネ」で、昨年度に続き2回目の実施。
■5月23日に一般への説明会
今回の栽培実験は、その複合病害抵抗性イネの生育特性、米の収量、病害への抵抗性などを、同研究所に近い(独)農業環境技術研究所内にある水田を使っての野外栽培で評価し、多数の系統から最も良質のものを選抜するとともに、生物多様性影響評価などのデータを収集する。
栽培に使うのは、コンクリートで周囲を囲った長さ10m、幅1.25mの水田4面で、面積は50m2。使用する水田は、最も近い農家の水田から500m以上離れているが、実験するイネの花粉の飛散を減少させるため隔離圃場の周囲には防風林を備える。
また、同研究所と外部との境界に近い6ヵ所でモニタリングとなるイネの栽培を行い交雑のチェックを行なう。
田植えにあたる隔離圃場へのイネの苗の移植は、6月上旬から中旬を予定している。
同研究所は、この隔離圃場栽培実験の一般への説明会を5月23日午後2時からつくば市の同研究所構造生物学研究棟附属施設で開催する予定で、参加者を募集している。参加には事前申し込みが必要で、5月22日午後1時までに同研究所広報室へ電話(TEL029-838-8469)かEメール(nias-koho@nias.affrc.go.jp)で申し込み。問い合わせは、同広報室へ。