人工衛星「しずく」の観測データ、南極観測隊に提供
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月25日、人工衛星「しずく」が観測した南極の海氷データの「第54次南極地域観測隊」への提供を12月1日から開始したと発表した。
 南極の海氷には、動かない厚い定着氷と、風や海流で移動する流氷がある。日本の南極観測基地「昭和基地」を目指すには、先ず流氷域を効率的に航行する必要があり、観測では、観測地点の絶えず変動する海氷情報の把握が重要になる。
 「しずく」は、2012年5月18日に打ち上げた地球の水循環と気候変動を観測する衛星で、正式名称を「第一期水循環変動観測衛星(GCOM-W1)」といい、海氷を天候に左右されずに観測することができる。
 12月25日現在、南極観測船「しらせ」(排水量12,500t)は、すでに流氷域を通過して定着氷に突入しているおり、流氷域の航行では「しずく」から送られてくる海氷データが利用されたという。「しらせ」は、昭和基地への物資輸送後、海洋観測に入るが、観測地点までの航行や観測地点の選定にも「しずく」からの海氷データが使われることになっている。

詳しくはこちら