(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(株)は3月21日、第一期水循環変動観測衛星「しずく」を、5月18日に同機構の種子島宇宙センター(鹿児島)から「H-ⅡA」ロケット21号機で打ち上げると発表した。 今回は、相乗り衛星として、韓国航空宇宙研究院(KARI)の韓国多目的実用衛星「KOMPSAT-3」と、同機構の小型実証衛星4型(SDS-4)2基を一緒に打ち上げる。 同機構は、人工衛星を利用した地球環境の変動を長期的に観測する「地球環境変動観測ミッション(Global Change Observation Mission)」を進めており、今回その最初の観測衛星「しずく」を打ち上げる。 「しずく」は、地球規模での水循環メカニズムを解明するため、マイクロ波放射計を搭載し、降水量、水蒸気量、海洋上の風速や水温、陸域の水分量、積雪深度などを観測する。 「しずく」に搭載される高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)は、地表や海面、大気などから自然に放射されるマイクロ波と呼ばれる電磁波を、7GHz(ギガヘルツ、1GHzは10億Hz)から89GHzまでの6つの周波数帯で観測するセンサー。自然に放射される微弱なマイクロ波を地上700kmで受信し、そのマイクロ波の強さを非常に高い精度で測定することができる。 地上からマイクロ波を受信するAMSR2のアンテナは、直径が衛星搭載用の観測センサーとしては世界最大の約2m。AMSR2は、大きなアンテナ部分を、1.5秒間に1回転のペースで地表面を円孤状に走査し、1回の走査で約1,450kmの幅を観測し、5年以上休まず回転し続けることができる。 同機構は、衛星に搭載する機器・部品などの新規技術を宇宙で実証するため、小型実証衛星(SDS:Small Demonstration Satellite)プログラムも進めている。今回は、50kg級の小型実証衛星「SDS-4」を開発し、相乗り衛星として一緒に打ち上げる。 H-ⅡAロケット21号機の打ち上げは、5月18日の午前1時39分~同1時42分(日本標準時)に行われる予定。また、打ち上げ予備期間として、5月19日~6月30日を設定している。
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「しずく」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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