ブータンの土砂災害を人工衛星「だいち」使い宇宙から緊急観測
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月26日、ブータンで発生したモンスーンによる土砂災害を陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)を使って宇宙から緊急観測し、得られた画像をアジア太平洋地域の自然災害を監視している国際協力機関「センチネルアジア」を通じ、ネパールのカトマンズに本部を置く国際総合山岳開発センターに提供したと発表した。
 ブータンでは、モンスーンにより7月22日に大規模な洪水が発生、それによる地滑りが随所で生じ、甚大な被害を受けた。
 今回の緊急観測は、「だいち」に搭載している「アブニール-2」と呼ばれる青から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測できる高性能可視近赤外放射計を使って行ったもの。
 「だいち」は、地球を約99分で一周しており、「アブニール-2」を使うと、衛星直下の幅70kmの範囲を10mの分解能で識別することができる。
 右の写真は、7月25日午後1時54分頃(日本時間)、土石流が発生した地域を捉えた一枚で、地上の3km四方を写している。樹木などの植生は、赤く写ることから、土砂崩れなどにより植生が失われたところを明確に捉えることができ、黄色のだ円で囲った3カ所で土砂崩れが起きていると同機構では解析している。

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