簡便なロールベール用の新荷役装置を開発
:畜産草地研究所

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の畜産草地研究所は7月27日、熟練者でなくてもフォークリフトやクレーンによりロールベール(円柱状に成形した飼料作物)を簡易・安全に吊り上げ、輸送することができるロールベール荷役装置を開発したと発表した。平野部で生産された飼料イネなどのロールベールを中山間地の畜産団地へ迅速に輸送することが可能になり、国産粗飼料の流通活性化が期待できるという。
 飼料の自給率向上を目指して水田を活用した飼料イネや飼料ムギの生産拡大が推進されている。生産された飼料イネなどは、ロールベールの形で畜産農家に輸送されるが、これまではベールハンドラと呼ばれる専用の取り扱い機具を用い、その操作に熟練を要していた。
 開発したのは、ベールハンドラがなくても一般的なフォークリフトやトラッククレーンなどがあればロールベールの荷役作業が比較的簡便にできる機具・装置類。1つは、フォークリフトで扱えるようにした荷役具で、4本の吊りベルトと胴巻きベルト、それと底部を開閉する巾着式の補ていロープで構成されている。これをロールベールの上からかぶせて底を補ていロープで閉じ、吊り上げる仕組み。
 もう1つは、ロールベールを摘み上げるクランプで、クレーンや重機に懸架して使う。クレーンのフックとクランプとの間に吊り秤を挟むことでロールベールの重量を計りながら積み込み、積み下ろしできる。
 これまでは、ベールハンドラの扱いに慣れた畜産農家やコントラクター(農作業受託組織)が輸送作業を担ってきたが、一般的なフォークリフトなどで扱えるようになるため、流通量の拡大や流通の迅速化に役立つとしている。

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