夜香る花「フウラン」に飛来した夜行性蛾の撮影に成功
:筑波実験植物園

 国立科学博物館の筑波実験植物園は7月29日、夜香る花として知られる「フウラン」に飛来した夜行性の蛾を撮影することに初めて成功したと発表した。
 フウランは、日本や朝鮮、中国の温暖な土地の木の上で育つランの一種で、花は優雅な香りを放つ。江戸時代には、大名が参勤交代の道中、フウランの花を籠の中に吊るしていたと伝えられる。
 フウランの花は、夜に昼のおよそ7倍もの香りを出すとする報告もあるほどで、このことから夜行性の蛾が夜、蜜を吸いに来て花粉を運んでいるのではないかと見られている。
 しかし、実際に夜、蛾がフウランの花に飛来しているかどうかは、これまで確かめられていなかった。
 同植物園は、夜、蜜を吸うためにフウランの花にやってきた夜行性蛾の一種「キイロスズメ」の撮影に成功したもので、「噂は本当だった」といっている。
 同植物園では、撮影に成功したキイロスズメの写真と、開花中のフウラン、キイロスズメの幼虫(または、さなぎ)を8月31日まで、つくば市(茨城)の同植物園の展示館で一般公開している。

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撮影に成功したフウランの花に飛来した夜行性の蛾「キイロスズメ」(提供:筑波実験植物園)