ロケット打ち上げ期間通年に拡大、地元と合意
:文部科学省/宇宙航空研究開発機構

 文部科学省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月29 日、JAXAの種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)と内之浦宇宙空間観測所(同・肝付町)でのロケット打ち上げ期間を来年4月から通年に拡大することに鹿児島県など関係5県の漁業団体と合意し、同日、鹿児島県庁で文部科学省など関係省庁で構成する種子島周辺漁業対策協議会とJAXAが関係漁業団体と確認書に調印したと発表した。
 このロケット打ち上げ通年化の実現は、日本のロケットによる海外衛星打ち上げなど、我が国の宇宙ビジネス推進への弾みになると期待されている。
 これまで、種子島宇宙センターでは日本の基幹ロケットである「H-ⅡA」、「H-ⅡB」で大型衛星を、内之浦宇宙空間観測所では小型ロケットで小型衛星を打ち上げてきたが、両発射場でのロケット打ち上げ期間は盛漁期を避けた夏・冬の合計190日間に限られていた。
 これでは衛星の打ち上げ時期設定自由度に限りがあるので、種子島周辺漁業対策協議会とJAXAは、鹿児島・宮崎・大分・高知・愛媛の関係5県の漁業団体に両射場でのロケット打ち上げ時期の制約改善を申し入れてきた。この要望を今回、漁業者側が受け入れた。
 「年間17機以内」という打ち上げ機数の制限は残っているが、過去の打ち上げ実績から見て、打ち上げの機会増に充分対応できる。
 また、これまでのように何らかの不具合が生じて打ち上げのチャンスを逃すと次の打ち上げが半年先になるという事態も避けられる。
 来年度からのロケット打ち上げ通年化に対応して文部科学省は、地元への配慮を強め、JAXAが払っている県への助成金や漁業関係者への謝金は上積みする方針。
 ロケットの打ち上げ計画は、現行どおり事前に関係県の漁業者と協議の上決定し、翌年度の打ち上げ計画の概要についても協議するとしている。

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