南米原産の野菜「ヤーコン」の新品種を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は11月28日、キク科の野菜「ヤーコン」の新品種を育成したと発表した。
 ヤーコンは、南米アンデス山脈地方が原産で、根にサツマイモのような形をしたフラクトオリゴ糖を多く含む甘いイモがなり、そのイモがサラダなどの生食や煮物、揚げ物として食されている。しかし、日本に導入されてから約25年経つものの、まだ広域での栽培普及にまでは至っていない。
 その理由としては、原産地と大きく異なる日本の気候に適応しにくいことや、品種不足などが挙げられ、同機構の近畿中国四国農業研究センターがその対応策として日本の気候に適した3品種をこれまでに開発している。
 今回の新品種も同センターが育成したもので、名称は「アンデスの乙女」。新品種は、これまでの3品種と比較して、より生育が旺盛で、1株になるイモの数が多く、重さも重く、高い収量が得られるという。イモの表皮の色がこれまでの品種にない鮮やかな赤紫色をしているのも特徴。既に品種登録出願を終えている。
 同機構では、「当面、栽培を希望する方には近畿中国四国農業研究センターから有償で種イモを分譲する」といっている。
 利用許諾契約の問い合わせは、つくば市(茨城)の同機構連携普及部知財・連携調整課(TEL029-838-7390)へ。

詳しくはこちら

新開発の「アンデスの乙女」(左側2つ)と、既存品種(右2つ)(提供:農業・食品産業技術総合研究機構)