新たな病害虫防除技術の開発で共同事業を開始
:中央農業総合研究センター/理化学研究所

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センター(中央農研)と(独)理化学研究所は7月20日、新たな病害虫防除技術の開発を加速するための共同事業を開始したと発表した。
 この共同事業は、地方自治体の試験研究機関や民間企業などの研究者・技術者と中央農研、理研バイオリソースセンター(理研BRC)の3者が連携して都道府県や民間企業が目指している環境保全型病害虫防除技術の開発を加速しようというもの。
 具体的には、つくば市(茨城)の中央農研内の開放型実験施設(オープンラボ)で、地方自治体の試験研究機関や民間企業の研究者・技術者参加のもと理研BRCが維持・保存している実験植物「シロイヌナズナ」を利用して環境保全型病害虫防除技術の開発に取り組む。
 シロイヌナズナは、2000年に世界で初めてゲノム(全遺伝情報)の解読が終わった植物として知られ、一世代が約2カ月と短く、室内で容易に栽培できる。
 共同事業では、環境保全型オープンラボでさまざまな系統のシロイヌナズナを利用して、[1]有用微生物、土壌改良材などの最適な利用法の開発、[2]天敵・害虫・植物の相互作用の解析と利用法の開発、[3]害虫の抵抗性や選好性に寄与する植物遺伝子の探索と利用法の開発、[4]病原体・媒介生物・植物の相互作用の解析と利用法の開発、などに取り組む。

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